子どもをもつ家庭に嬉しいニュース!|幼児教育無償化へ向けて
政府が3〜5歳の幼児教育の無償化に向けて動き出しました。
早ければ2014年度から実現する予定です。
小さなお子さんを持つ親御さんは「待ってました!」ですね。
しかし財源をどうするか、など問題は山積みです。
幼児教育無償化に関する現状を知っておきましょう。
少子化対策に前進|子育てしやすい環境を
政府が本格的に幼児教育の無償化に乗り出した理由は「少子化対策」です。 日本の人口の自然減は6年連続で続いており、
今後は人口減少と少子高齢化にさらに拍車がかかると予想されます。
これを食い止めるにはやはり出生率を上げること。
そのためには子育てしやすい体制を早急に整えなくてはなりません。
子どもを持ちたいが、保育料にお金がかかる。
給料の大半が保育料に消えていく。
仕事と育児を両立するのが難しい今の日本の現状では
子どもを持つことをためらう人も多くいるといいます。
海外の幼児教育無償化の試みはどうでしょう。
イギリスでは2004年までに3、4歳児の無償化を導入、
お隣の韓国でも1999年から段階的に無償化が進められていて、
現在では5歳児の約3割が無償となっています。
他にもオランダ、フランス、スウェーデン、ニュージーランドなどで
保育料が無料です。
海外にならって日本も今回初めて本格化に乗り出しました。
しかし、保育料が無料になっても入れる園が少なくては意味がないですよね。
これを改善しようと「認定こども園」といって幼稚園と保育所の両方を
併せ持つ幼保一体型の施設を増やす対策がとられています。
待機児童を減らすために親の就労形態に関わらず、
子どもを受け入れる施設で、12年4月時点で全国に911ヶ所
開設されています。
政府はこの施設を今後さらに充実させていく方針を決めました。
今回の幼児教育無償化で少しでも少子化を食い止められるといいですね。
問題は山積み?|財源をどうするか
日本でもこれまで幼児教育の無償化に関しては議論がされてきましたが、 莫大な予算がかかるため、なかなか実現できませんでした。
保育料を無料にするには1年に7900億円の財源が必要となるのです。
この莫大な金額をどこから捻出するか、が最大の課題となっています。
消費税は15年10月から10%に引き上げられることが決まっていますが、
幼児教育無償化対策に関する予算はこの増税分には入っていないのです。
使い道を再検討すればいい、という意見が出ていますが、
それには民主党や保育関連団体からの反発も予想されるため、
実現は難航する可能性があります。
さらに無償化にこんなに莫大なお金を使って
他の幼児教育事業(保育園を増やす、
保育士の待遇改善、支援センターの充実など)
に予算が回らないと、
育児する環境が悪化してしまう恐れもあります。
莫大な財源の問題に加えて、
保育のあり方に関するさまざまな意見が交錯し、
実現するには一筋縄ではいかないようです。
政府の方針に今後注目していきたいですね。
参考文献
読売新聞 2013年2月18日(月)朝刊「幼児教育無償化へ協議会」