早い時期に外国語に取り組む効果は?|発音を聞き分ける能力があります
グローバル化が進む近年、まだ2、3歳の幼児期から英語などの語学教育に
取り組んでいる親御さんも増えていますね。
英語の早期教育に対してはいろんな意見があります。
「まだ日本語も十分話せないのに、そんなに早い時期から英語なんて」
と思われる方もいると思います。
しかし、乳幼児期からの英語教育にはメリットもあります!
それは「発音を聞き取る力」があることです。
音を聞き取る力は3歳までのお子さんがもつ特権です。
ここでは早期の英語教育と乳幼児の優れた聴力、
子どもと始める英語教育のポイント(心構え)をお伝えします。
早期の英語教育のメリットは?|幼児がもつ発音を聞き分ける力とは?
皆さんは英語を聞くときに、日本語訛りの英語やカタコトの英語は
なんとなく聞きとれても、ネイティブの発音するきれいで滑らかな英語は
さっぱり聞きとれない、という経験はないですか?
それは日本語と英語の音域が違うからです。
母音の多い日本語は音域が低く、子音の多い英語は音域が高いのです。
脳の発達の著しい乳幼児期に英語教育の環境を整えてあげると
日本語と英語の両方の音域の音を聞き分ける能力が身につく、言われています。
乳幼児期は脳の神経経路の配線がどんどん出来上がっていく時期です。
この時期は日本語の配線も外国語の配線も同時に、しかも簡単にできていきます。
この時期を逃すと皆さんご存知のとおり、外国語を習得するのは大変苦労
することになります。
赤ちゃんの驚くべき聴力|育った環境がいかに大切か
近年の研究で赤ちゃんの聴力は想像以上に優れていることが分かってきています。
ここに面白い実験結果があります。
- 英語が日常的に話される環境で育ったアメリカ人の赤ちゃん
- 日本語が日常的に話される環境で育った日本人の赤ちゃん
ネイティブの人が肉声でLからRへ、またRからLへ徐々に変化していく様子を
この2人の赤ちゃんに聞かせました。
生後6カ月までは?、?の赤ちゃんは両方ともLからRに、RからLに
切り替わる際の音の違いを区別して聞いていました。
しかし、生後6カ月を過ぎると?の赤ちゃんにはLとRの発音の違いが
わからなくなっていたのです。
この結果から、生まれて6カ月頃までの赤ちゃんはみな同じように聞き分ける力
が備わっており、それ以降はその赤ちゃんが置かれた環境によって神経回路が
組み替わっていく、ということがわかりました。
(脳科学と子育て研究会「6歳までにわが子の脳を育てる90の方法」より)
これは「脳内地図」といって、脳の神経回路はその子が置かれた環境に必要な
ものが残り、不必要なものは消失していく、ということを繰り返してその子
のオリジナルなものができあがっていくのです。
英語が全く使われない環境にいると、残念ながら
英語を聞き分ける能力はなくなってしまいます。
だからこそ、英語は乳幼児期から聞かせる環境にしておくことが大事です。
英語教育のポイント|自然に・楽しみながら
早期の英語教育の大切さはわかりましたね。
でも、具体的にどうすればいいのでしょう。
英語教育のポイントは「楽しく、自然に」です。
これは英語に限らず幼児教育、いや教育全てに共通することです。
子どもに無理強いさせたり、押し付けてはいけません。
DVDやCDをお母さんやお父さんと一緒に聴いたり見たりして
まずは楽しむこと。ゲームをするのもいいでしょう。
楽しんでいるうちにいつの間にか
英語に親しんでいるというのがいいですね。
日本語もそうですよね。
赤ちゃんに対して必死に教育するものではなく、
お母さんが絵本を読んであげたり、歌を歌ってあげたり、
大人が会話しているのを聞いているうちに自然に習得していくものです。
時期は早ければ早いほうがいいので
胎児の頃からお母さんはお腹に話しかけるように、
英語のCDを聞かせてあげるのもいいですね。
発音を聞く力の土台をしっかりつくってあげると
将来きっと役に立ちますよ。
参考URL、参考書籍
メリット、デメリット/幼児教育ガイド〜みんなの知りたい幼児教育
http://youjieikaiwa-hajimeru.net/contents/advantage.htm
http://www.ryaku-go.com/child/benefit.html
脳科学と子育て研究会「6歳までにわが子の脳を育てる90の方法」
2007年 講談社 P114、115